今回の請願書を提出に至る背景は、何よりも、子どもの貧困の連鎖が止まらず、貧困が健康格差につながっていくことへの危機感がございました。
沖縄県保険医協会による学校歯科検診アンケート結果によりますと、口腔崩壊の子どもが存在する学校は42%。学校健診で診察が必要とされた中学校の生徒では、8割以上が受診していない状況です。その理由は「時間もお金もない」やはり貧困が背景になっているのです。子どもの健康格差が、学力や就職に影響し、貧困の連鎖を拡大していくことになります。
必要な時に安心して医療機関を受診できることは、貧困の連鎖を起こさせないで、こどもたちの心身の健やかな成長のために必要不可欠であり、沖縄県民の要求でもあります。自治体によるこども医療費助成制度は、この10年間で大きく広がりました。2017年4月1日現在厚労省調べで、中学校卒業以上の年齢まで医療費助成をしている全国の市町村は、「通院外来」で、1741自治体中1500自治体で86%、「入院」で90%以上に達しています。「一部負担なし」「所得制限なし」「現物給付」といった「完全無料」を実現している自治体も確実に増えています。