中央社保協/札幌高裁 国保医療費減免却下は違法

札幌市が国民健康保険一部負担金の減免申請を却下したのは違法だと、同市北区の女性(59)が市を相手に決定取り消しを求めた裁判で、札幌高裁(草野真人裁判長)は22日、請求を棄却した一審判決を取り消し、「裁量権の逸脱に当たる」として、原告勝利の判決を出しました。(しんぶん赤旗8月24日付)

判決内容のポイントとしては、①一部負担金の減免の制度の趣旨は、社会保障の観点から、経済的に困窮する被保険者も国民健康保険制度の枠内で療養の給付を受けることができるようにする点にあるものと解される。②(法44条1項)特別の理由とは、社会保障の観点から一部負担金の減免を認める…と解すべき。③そして、同項は、特別の理由があるかどうかの判断を市町村の裁量に委ね、かかる市町村の裁量的判断を通じて国民健康保険と生活保護等の他の社会保障制度との調整や国民健康保険の適正な運営を図る趣旨の規定と解すべき。④当該被保険者にかかる個別的な事情を考慮せず、一定期間の経過という事実のみをもって上記一時性を判断するのは相当ではない。⑤減免の制度は経済的に困窮する者も療養の給付を受けることができるようにするという社会保障としての意義を有するもの。といった点があるだろうと思われます。(中央社保協事務局)

その判決文を以下の通りです。

詳しくはコチラ⇒180822札幌高裁国保裁判 控訴審判決書