国民健康保険(国保)は、戦後「国民皆保険」として、中小業者、農林業者、低所得労働者、無職者、高齢者など社会的弱者を加入者とするセーフティネットとして再編されました。 国保法第1条には「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障 および国民保健の向上に寄与することを目的とする」と記され、その運営のために国庫負担も投入されています。国保は、自助や相互扶助では決して支えることのできない人々の医療保障を図り、「受診する権利」「健康になる権利」等を保障するために「国民皆保険制度」の土台として整備されてきたものです。
2018年4月から市町村国保は県と市町村による共同運営となり、国は県及び市町村に公費を負担し、市町村は県に納付金を納め、県は市町村に保険給付に必要な額を交付する「都道府県単位化」が実施されました。県は市町村に標準保険料(税)率を提示し、地 域の実情に応じて最終的には市町村が標準保険料(税)率を決定します。
現在、市町村国保の保険料(税)は、被用者保険の保険料よりも高額です。高すぎて払えない保険料(税)は、高齢者をはじめとして加入者のいのちや暮らしを脅かす問題となり、改善を求める切実な声が上がっています。一方で国保安定化基金はため込まれ、自治体の国保財政は黒字になっています。⇒2021●国保改善緊急要望書 中央社保協 はこちらをクリック(PDF版)、(Word版)