2020年6月25日、名古屋地方裁判所は生活保護基準引下げ処分の違憲・違法が争われた訴訟において、原告の請求を全面的に棄却する判決をくだした。この裁判は、愛知県在住の生活保護利用者18名が、2013年からの3回にわたる生活保護基準の引下げは違憲・違法であるとして、国及び居住する自治体に対して基準引下げに基づく保護変更処分の取消しを求めたものである。この保護基準見直しは、生活保護利用世帯の受給額に平均で6.5%、最大で10%もの引下げをもたらし、「健康で文化的な生活」が著しく脅かされることとなった。本判決と同趣旨の訴えは全国29カ所でおよそ1000人の原告が提起しており、同種の訴訟では初めての判決となった。