全生連会長代行 吉田 松雄 2020.6.25
2010年から厚生労働省が実施した生活保護基準の大幅引き下げは「健康で文化的な生活」を保障した憲法25条に反する、として全国29都道府県の1025人もの原告が取り消しを求めた「生存権裁判」で、本日6月25日午後3時に名古屋地方法裁判所は、原告の訴えを退ける判決を言い渡しました。原告や生活保護利用者の生活に目を背け、国の主張に追従した不当判決であり、強い憤りをもって断固抗議します。
生活保護基準引き下げは、安倍・自民党の「1割削減」選挙公約を実行するために、「物価下落」「歪み調整」などとするデータをねつ造・偽装し、保護利用者の声を聴かずに強行されました。
生活保護利用者は、食費、入浴、衣料費、交際費の支出を減らし、「生きるのがやっと」の生活を強いられており、一日でも早く生存権を回復することが求められています。
全生連は、2004年の老齢加算減額廃止以来、13年・19年と連続して強行された保護基準引き下げに対し、全国で1万人の審査請求運動をおこし、裁判を支援し、共同行動を広げ、たたかいを大きく発展させてきました。
コロナ感染は、低所得者ほど犠牲者が多数となり、日本の社会保障が脆弱なことを浮き彫りにしました。いま、「10月の保護基準引き下げを中止せよ」「削減前に戻せ」との世論を判決の怒りをもって広げるときです。
これから地裁で「社会保障充実への転機となった」と言える勝利を勝ちとるために、全国の力を合わせましょう。