(大フォーラム実行委員会の古賀からの情報提供です。)
◆古賀さんからの訴え
1月11日の文春オンラインには、杉並区長の命の選別を推進する発言が掲載されていました。新型コロナウイルス感染症による医療ひっ迫のために、東京都知事にいのちの選別のためのガイドラインを作れ、と言うのです。
私たちは、高齢者やしょうがいしゃのいのちを切り捨てることになるこのような発言を、許すことはできません。行政の責任者がこのような立場を取ることは、決して容認できません。
1月29日、午後2時に、杉並区役所1階ロビーに集合し、要請書を提出します。
以下に貼り付ける要請書とともに、杉並区内、都内に在住するしょうがいしゃ個人の思いをつずった書面も提出します。
ほっておくと、杉並区長のような発言は、各地から出てきかねません。いろいろな立場から、杉並区長への申し入れがあるとありがたいです。杉並区議会の中では、区長発言を問題視する動きも起こっています。
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田中 良 杉並区長 殿
「骨格提言」の完全実現を求める大フォーラム実行委員会
(呼びかけ団体): 日本脳性まひ協会 青い芝の会/全国公的介護保障要求者組合/ピープルファーストジャパン/精神障害者権利主張センター・絆/障害者の生活保障を要求する連絡会議(障害連)/神経筋疾患ネットワーク/怒っているぞ!障害者切りすて!全国ネットワーク/一歩の会/全国ピアサポートネットワーク/兵庫県精神障害者連絡会/神奈川県障害者自立生活支援センター(KILC)/自立生活センター自立の魂(略してじりたま!)/ 自立生活センター グッドライフ/NPOこらーる・たいとう/スタジオIL文京/自立生活センター立川/CILくにたち援助為センター/町田ヒューマンネットワーク/自立生活センターたいとう/特定非営利活動法人 あいえるの会/一般社団法人 自立生活センター三田/自立生活センター 北/ガチャバンともに生きる会/鈴木敬治さんと共に移動の自由をとりもどす会/自立生活センター福岡/特定非営利活動法人むく 魔法陣/けやきユニオン/基準該当事業所「新しい空」/自立生活センターHANDS世田谷
連絡先:〒166-0004 杉並区阿佐谷南3丁目9番2号 新光ハイツ1階 魔法陣気付
電話:070-4285-4431
◇新型コロナウイルス感染患者のいのちの選別推進を許しません
2021年1月11日の『文春オンライン』には、「「小池都知事は責任を果たせ!」命の選別が迫る医療現場…杉並区長が“無策すぎる都政”を告発」との記事が掲載され、田中杉並区長は、以下のような主張をおこなっています。
新型コロナウイルス感染が拡大する中で、「指定病院から重症者があふれ出しています。・・・人工呼吸器やエクモといった医療資源、これを扱う医療従事者には限りがあります。患者がどっと押し寄せると足りなくなる。その場合には、治癒が期待できる人を優先すべきだ、というのがトリアージの考え方です。「命の選別」に当たるとして反対する人もいます。しかし、きれいごとでは済まない現実が目前に迫っています。戦場や災害現場と同じ状況に陥りつつあるのです。そうした時に「この人から人工呼吸器を外して、あの人に付けないといけない」という判断を現場の医者に押しつけていいのか。・・・」「・・・『命の選別』の責任は、現場の医者ではなく、都知事として背負わなければなりません。・・・」
そして、こうした趣旨の申し入れを、1月8日に都知事に行っていることも記載されています。
行政の責任者としては、命の選別が起こらないように努める責任があります。にも拘わらず、この記事の中には、医療体制を拡充する方向も、感染予防の充実を図る対策も、まったく語られていません。
私たちは、このような発言を決して許すことはできません。
田中区長はさらに、次のように述べます。
「例えばの話ですが、年齢を5歳刻みなどで、生還率や死亡率を示します。人工呼吸器などを装着して外せるまでの日数も重要なデータではないでしょうか。基礎疾患との関係もあります。これらデータや症例を、一般に分かりやすく公開するのです。・・・そうすると、人工呼吸器などを付けても延命にしかならないようなケースが見えてくるかもしれません。・・・・これらをたたき台にして、都民の皆で考える材料にします。そうしたうえで、学会や有識者に相談しながらガイドライン化していくのです。」
つまり、高齢者や基礎疾患やしょうがいのある人を切り捨てる基準を作れと求めているのです。このような主張に対し、わたしたちしょうがいしゃは、命の危険を強く感じます。
また、現場で苦闘している医師の方々に対しても、水を浴びせるようなものです。
例えば、“日本透析医会”は1月15日に、「新型コロナウイルス感染症の透析患者に対する医療提供体制の整備について(お願い)」を発出して、治療体制の整備を求めていますが、こうした努力を踏みにじるものです。
そもそも、欧米と比べて、日本のコロナウイルス感染者が一桁ないし二桁少ないにも関わらず、医療崩壊が起こる、ということ自体が理解できません。医療政策そのものに問題があるのではないでしょうか。都立病院だけでなく、大学病院や民間医療機関も力を合わせて、感染対策に取り組める体制をこそ作るべきです。また、保健所の人員拡充や職場環境の整備を、図るべきなのです。こうした政策によって、医療関係者が安全に働ける環境と感染者が安心して療養できる状況を作ることこそ、都知事に求めるべきなのです。
田中杉並区長には、上述のような努力こそ行うべきであることを要請するとともに、以下のことを求めます。
(1)いのちの選別を推進する姿勢を改め、そうした趣旨のこれまでの発言を撤回してください。(2)1月8日に都知事あてに提出した申し入れ書を公開してください。命の選別につながる内容を撤回する意思を、都知事に伝えてください。
(以上)